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ソファでもあり、ベンチでもある。「座る」の新しいあり方 WK Sofa 01 - Wataru Kumano Design, Interview

Design, Interview

ソファでもあり、ベンチでもある。
「座る」の新しいあり方

WK Sofa 01 - Wataru Kumano

〈WK Sofa 01 Series〉が目指したのは、ソファとベンチの中間にある、軽やかで新しいタイポロジー。MAS らしいこのソファは、日本の座布団から着想を得てデザインされました。日本の森から生まれるMAS の家具だから、日本の空間に馴染む存在でありたい。そこで熊野亘が着目したのが古来より使われてきた座布団でした。「座る布団」という存在からソファを連想し、木材のフレームにただ座布団が乗っているような、ソファの機能がありながらもこれまでの布張りのものとは異なる、もっと軽やかな存在にできるのではないかと想像しました。暮らしのあり方が変わり、食べるところ、休むところ、働くところの境界線があいまいになり、イスに求められる役割も変化してきました。「硬いダイニングチェア」と「ゆったりとしたソファ」のような明確な分類ではなく、垣根をこえた、もっとなめらかに生活をつなげる新しいイスが求められているのかもしれません。

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ダイニングテーブルにもフィットする高さでありながら、あぐらをかいて座ったり、少し横になったりもできるこのソファは、現代の暮らしに向けてデザインされています。また、座ったときに深く沈み込みすぎないので、空港や待合室のような人が活発に行き来して、一時的に腰を掛けるようなシーンも想定しています。造形言語として用いたのは、柔らかさがありつつもシャープなフォルム。人の流れを妨げない佇まいというコンセプトを体現するため、座面の奥行きを細かく調整し、実際に熊野の自宅やアトリエで実験を重ね、最適なサイズを探りました。もう一つ重要なポイントとして、見た目にも、そしてもちろん持ち上げたときにも軽やかさがあり、それでいて座り心地がよいものとするために、試作を重ねて座り心地を確かめ、重量をシミュレーションし、抜く部分と残す部分を丁寧に検証しました。

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座布団から着想を得てはいますが、丸みと厚みのバランスを整えることで現代生活に求められるモダンさを与え、縫い目の見えない同じかたちを貼り合わせた対称的な造形が、それを強調しています。その結果、見た目に無理のない形状となり「どら焼きやクッキーのような、自然に生まれる、どこかで見たことがあるかたちとなった」と熊野は言います。バリエーションはソファ1・2・3シーター、ベンチ2・3シーター、そしてデイベッドの6 種類で、空間で自由に組み合わせる楽しみもあります。またこのソファに向けて開発された、〈WK Side table 01〉と一緒に使うことで用途が広がります。木部のフレームに選ばれたのは、MAS を象徴するヒノキと、耐久性が高いクリ、そしてかつてより日本を代表する木材の一つであるセンの3種類です。

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ヒノキは柔らかいため、強度が必要な部分には広葉樹を用いることで、軽さとのバランスを取っています。センの素材のものはフォレストグリーンとソイルブラウンの2色から選べ、張地とのコーディネートが楽しめます。これまでMAS はヒノキを基本的に用いてきましたが、他の木材も活用することで、より日本の森との関わりが深まると考えています。あまり家具に使われていない「雑木(ざつぼく)」と呼ばれるような木材はまだまだあり、それぞれに個性があります。たとえ扱いにくい木材であったとしても、カリモクの加工技術があれば、多様な挑戦ができます。日本の森から拡がるデザインの可能性が、大いにあるのです。

Writing : Mai Tsunoo
Photo : Masaaki Inoue / Bouillon

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