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機能性と使い勝手を鑑みた、ディテールの極み。 WK Bath Stool by Wataru Kumano Design

Design

機能性と使い勝手を鑑みた、
ディテールの極み。

WK Bath Stool by Wataru Kumano

浴槽にたっぷりと湯を張って浸かり、洗い場に出ては体を清める。ほかの国では見られない特殊な入浴スタイルを誇る日本には、入浴のための独自の道具も揃います。その典型の一つが風呂椅子でしょう。さらに、ヒノキは、肌触りが良く、抗菌性、耐朽性が高い上に、アルファビンやトルネオールなどのリラックス効果を持つ香り成分を持つことから、浴槽や湯道具として古くから愛用されてきた素材です。

バススツールのサイド面。前後の座面に8 度の傾斜を設けることで、水が自然に中央から流れ落ちる仕組みになっています。この傾斜によって、座った時にも安定した姿勢が取りやすいというメリットも。
バススツールのパーツは、全部で6つ。パーツを組み合わせながら、4箇所をビス留めするだけのシンプルな構造で、一人で簡単に組み立てることができます。

デザイナーの熊野亘は、家族とともに長野の自然に囲まれて暮らすなかで、自身の入浴スタイルを見つめ直し、伝統的なヒノキ製の風呂椅子を現代にアップデートする取り組みに挑戦しました。シンプルな構造はそのままに、より人間工学に基づいた形と座り心地を追求しています。

既成品は高さが低く、かがみ込まなければならないものが多いのに対し、〈WK BathStool L〉では高さを上げた座面高360mm で設計。座る位置を高くした分、座った時の安定性が増すように、座面ボリュームは少し小さめに調整しています。さらにメンテナンスのしやすさを考え、一つひとつのパーツを可能なかぎりシンプルに設計するとともに、座面を斜めに傾けて中央に切り込みを入れることで、自然に水切りができ、掃除が簡単に済むように考えています。
また、組み立て式のフラットパックを採用したことで、ヒノキの肌触りを感じながら、自身で家具をつくる楽しみを加味しているのも特徴です。軽量でボックス入りになっているので、引っ越しや新築の祝い、結婚、出産の贈答品としてもオススメです。デザイン性が高く、コンパクトなので、靴を履く時の小椅子として玄関先に置くほか、ベッドやソファの脇に添えてサイドテーブルとして使うこともできます。

Styling : Fumiko Sakuhara
Photo : Masaaki Inoue / Masaki Ogawa
Writing : Hisashi Ikai
Cooperation : Totoken

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